東京高等裁判所 昭和34年(う)2670号 判決
被告人 志水速雄
〔抄 録〕
更に原審は警察官が現行犯逮捕の際被逮捕者から受ける些少の抵抗は逮捕行為自体の裡に予想されているところであつてこれをとらえて公務執行の妨害となすことはできない、として公務執行妨害の点を排斥しているけれども、公務執行妨害罪は公務員の職務を執行するに当りこれに暴行を加えれば直に成立するのであつて、たとえ些少の抵抗であつても暴行に及んだ以上同罪の成立が否定さるべきいわれはない。しかるに、同罪の成立を否定した原審は、この点法令の解釈を誤り、罪となるべき事実を罪とならざるものと認定した違法あるものというべく、その誤は判決に影響を及ぼすこと明らかであるから、この点検察官の論旨は理由がある。
(尾後貫 堀真 西村)